お知らせ

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆お知らせ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ヘッダ写真はアルプス穂高岳。 見本誌の請求や記事内容への問い合わせなどは「問い合わせフォーム」をご利用ください。 Twitterへのリンクを張りました。右側スリットにあります。

2019年12月8日日曜日

青穂34号が発行されました


青穂34号が発行されました

画像は、表紙、村尾草樹色紙、青穂抄(ちばつゆこ選)。

ほか、

同人作品
私の感銘句
一句鑑賞
青穂の窓(佐瀬広隆選)
「青穂第一句集互選互評②」
句会報

エッセイ・評論に
久次縮酔「樹林の釣り カワハギ編」
三好利幸「花野抄・第17号を味わう」
黒崎渓水「鑑賞 自由律俳句集「挿話」」
きむらけんじ「きまぐれ写俳日記30」

※敬称略

(文:久坂夕爾)

2019年11月24日日曜日

自由律を動かせ

第3回尾崎放哉賞募集中‼
今週末が締切となります。(11月30日必着)

今年から、大賞のほか春陽堂賞も新設されました。
応募は2句1組で何組でも可。高校生は2句まで無料です。
まだの方、迷っている方も、これから出しても間に合います。

山頭火とは違った魅力を持つ放哉の名を冠する賞です。
ぜひ応募してみてください。

応募要項はここをクリック

自由律句のひろば資料




藤田踏青氏より貴重な資料をいただきました。
「自由律句のひろば」機関紙(上)および
「現代自由律100人句集」(下)

「自由律句のひろば」は、数年前まで存在した自由律俳句の超結社的集団。
(こういうことに興味がない&人付き合いがあまりない)私にとっては、
いつの間にかなくなってしまった集団、くらいにしか
認識していませんでした。Webサイトは時折ながめたりはしていたのですが。

どんな方が現代の自由律俳句の作者として名を連ねているのか、
「現代自由律100人句集」(第Ⅲ集)(2016年発行)より挙げてみます。

もちろん、この会に参加していなかった方もたくさんいるでしょう。
ネットや地域のイベントなどで個人で活動している方、
自由律系の結社に所属することを嫌って活動している方、
短歌・自由詩とジャンルをまたいで活動している方など。
あたり前ですが、そのなかにも、たぶん優れた書き手はいる、ということを前提として。

(地域別・北から)
畠働猫
太田和孝
加藤邪呑
吉本知裕
前田和子
野田麻由可
黒瀬文子
寺田和可
小山榮康
小山智庸
白松いちろう
荒木勉
いまきいれ尚夫
黒崎渓水
棚橋麗未
中島かよ
中塚唯人
平岡久美子
伊藤完吾
田中耕司
野谷真治
泉沢英子
埋田貞子
大軒妙子
久保田奈々弥
小池ますみ
鈴木憲
鈴木和枝
田中陽
ちばつゆこ
富田彌生
中村友乙
那須田康之
松尾尚子
渡野邊寿美子
田辺雅之
宮地祥子
𠮷田敷江
吉原陽子
正木土易
秋生ゆき
小山貴子
藤田踏青
高村昌慶
幾代良枝
後谷五十鈴
田中昭雄
三好利幸
ゆきいちご
陽蔭野無一
阿部美恵子
石竹和歌子
植田鬼灯
内田麻里
小野芳乃
佐伯初枝
佐々木研信
島田茶々
清水八重子
下瀬美保子
竹内朋子
田中里美
富永鳩山
富永順子
橋村美智子
原田智美
久光良一
部屋慈音
増田壽惠子
松尾貴史
松永眞弓
松永友世志
山本節子
和崎治人
今石咲子
荻島架人
楠本尚子
重富佐代子
高木架京
中村みやこ
馬場古戸暢
檜幽可
増田眞寿子
松養榮貞
藤岡徹
徳永純二

※発行当時に物故だった方を除いています。
※敬称略

藤田踏青さん、ありがとうございました。

(文:久坂夕爾)

2019年11月16日土曜日

栗林一石路句抄


そこの土まもるべく木実芽生えけり
死ぬ日近きに弟よ銭のこと言えり
二階から足がおりてくる寒い顔になる
シャツ雑草にぶっかけておく
なにもかも月もひん曲ってけつかる
娘よひきあげろ働いた金だぞふんだくってでも来(こ)うよ
街のどてっ腹を掘りぬいて君たち唄いながら出てくる
やすい蚕がずんずんふとる夫婦で飯
目刺のような兵隊が生きていたラッパが鳴りだした
北海道へ樺太へからだだけはもって船底にごろ寝
生きて通夜の蚊をたたく縁側の草
死顔の母の枕辺を起(た)ちさて人寄せの事
かかる世に百姓酔えばののしる性をすてず
調書で罪になってゆく蝉が鳴いている
墜ちくる天ささえがたしや独房に
雨の若葉に食わせろの旗へばりつく
どれにも日本が正しくて夕刊がぱたぱたたたまれていく
どっと笑いしがわれには病める母ありけり
子ども自分の耳がある笑う
お話にならぬ蚕がしんしん桑を食う部屋じゅう
鉄をたたいて人間が空のどこかにいる
大きな弁当をさげて地突女がかたまってくる


栗林一石路は長野県青木村出身。
「プロレタリア俳句」とも言われていますが、そういうキャッチフレーズはあまり私は好みません。感傷に流されず、現実を社会を人間を見つめた俳句でしょう。
橋本夢道とともに荻原井泉水主宰の「層雲」を離れたのですが、「層雲」が、たとえて言えば私小説・心境小説のような傾向なのに対し、そこには収まりきらない句群であることは確かなようです。

「調書で罪になってゆく」では、石原吉郎(詩人)のシベリア抑留時のロシアによる罪状認否のくだりを、「地突女」では「ヨイトマケの唄」を、「墜ちくる天ささえがたし」では石牟礼道子の句集「泣きなが原」を連想したりしました。
現代でも、入管施設での非道や、ひとり親の貧困や、強情ともいえるナショナリズムや差別、チェーン店ばかり跋扈する資本の集中など、現実は昔とそうそう変わっていないようにも思えます。そこにスポットを当てて書く方が現れてもおかしくはないですね。


2019年11月4日月曜日

エドワードゴーリーの優雅な秘密


連休を利用して、
東京都練馬区立美術館へ。
「エドワードゴーリーの優雅な秘密」展。






不気味でシュールで少しユーモラスな絵本作家。
と思っていたのですが、
イラストも数多く手がけていた方のようです。

「題名のない本」は、左に木、右に家の窓(なかに子供)という固定の背景
の真ん中で、いろんな生き物が
飛んだり跳ねたり変な声だしたりしている、という絵本で、
一番好きな絵本。

「ひぴてぃ うぃぴてぃ、」
「おくしぼりっく;」
「しっぷ、」
「さっぷ、」
「すー。」

知らない人は、何のことがさっぱりわからないでしょうけれど(笑)。

面白かった点のひとつは、
(残酷だったりナンセンスだったりするので、でしょうか)
「大人向けの絵本」で売り出そうとした編集者に対し
「子供にもわかる」「編集者がビビッている」とゴーリーが回想していた点。

日本にも「はれときどきぶた」というナンセンス絵本ありました。
こどもこそ、こういうものを喜びますよね。
「意味」を求めてしかつめらしく通俗的なものばかり求めるのは大人のほうだと、
ときどき思うことがあります。


そのあと、
神保町の古本まつりへ。
なんて良いタイミングで開催しているのか。

「読む時間なんてあるのか?」という脳内のツッコミを無視して、
数冊買いました。
(いつものことですが)

買ったのは、
尾崎翠「第七官界彷徨」
「山家鳥虫歌 近世諸国民謡」
近藤洋太「詩の戦後 宋左近/辻井喬/粟津則雄」
など。

詩、短歌、俳句をあまりジャンル分けに固執せずに
書いてある論評はつい読みたくなりますね。

(文:久坂夕爾)

2019年10月14日月曜日



青穂33号が発行されました

画像は、表紙、青穂抄(田畑剛選)。

ほか、

同人作品
私の感銘句
一句鑑賞
青穂の窓(平山礼子選)
「青穂第一句集互選互評①」
句会報
第3回尾崎放哉賞作品募集案内

エッセイに
小山貴子「放哉を訪ねて 長春その2」
きむらけんじ「きまぐれ写俳日記29」

※敬称略

(文:久坂夕爾)

2019年9月27日金曜日

自由律記事紹介


古い記事なのでご存じの方もいると思いますが、
リンク貼っておきます。


ブログ俳諧鑑賞
 荻原井泉水周辺
 住宅顕信
 尾崎放哉
 種田山頭火
 橋本夢道

(文:久坂夕爾)

高柳篤子作品集





陽があたまるとさびしがる耳
香から蠅ひそと飛ぶ言葉あり
机の下にもぐり込み全身の肌目にむらがる戀
海つてすごいやわたしより青いや
秋だから太陽までズボンをはいて来る
猫の尻尾は 鉛筆けずり 野原でまわせ 野原でまわせ
ラリルレの接吻 ラリルレの水 ぐさりと杉の葉の影が来る
どうすればいいは紫だ ごめんなさいも紫だ
赤いピストルほしいよ・赤いピストルほしいよ
※作品集より抜粋

青山五丁目の戦災住宅を朝五時起きで渋谷まで走り、ハチ公前に並ぶヤミの牛乳やさんへ。病気の姉のために一本か二本買わなければ、と。なのに、その朝は牛乳やさんがいなくて、牛乳やさんのところに大きな唐草模様の風呂敷をひろげ、ガリ版刷りのペッチャンコの雑誌を売っている二人のおじさんがいました。橋本夢道というおじさんと、石田波郷というすさまじい切れ味のおじさん。二人のおじさんの前にずっと立っている私以外誰もいません。お姉さんの牛乳がなければ、もう死にそうな状態でした。それなのにお母さんが毎朝私にくれる牛乳代を全部、橋本夢道さんの雑誌を買ってしまったのです。お母さんやお姉さんに、どういうふうにあやまろうかと心配を抱きおじさんたちの二冊の本をだき、家にかえりました。
※高柳篤子(広岡まり)の書信抜粋

高柳篤子作品集 編/岩片仁次 夢幻航海文庫 より


寄贈、ありがとうございました。
これは自由律俳句ですね。面白いです。
「肌目にむらがる戀」などは妙に切迫感があります。
書信の抜粋、こういう何気ないエピソードの中にいる故人は、
どうしてなつかしく慕わしげに思えるのでしょう。
本の中でしか知らない人なのに。そんなことを考えていました。

橋本夢道は富沢赤黄男の「詩歌殿」にも参加していましたね。
この俳誌はものすごいラインアップだったはず。
と、思って調べてみたら、関西俳句協会の記事にありました。

「詩歌殿」創刊号 青木亮人


(文:久坂夕爾)


2019年9月8日日曜日

青穂32号が発行されています





青穂32号が発行されています。
(お知らせが1ケ月遅れてしまいました。すみません。)

順に、表紙、青穂抄、第6回青穂大会入賞句

ほか、
第2回尾崎放哉賞表彰式写真
第6回「青穂」全国大会写真
同人作品
私の感銘句
一句鑑賞
青穂の窓(黒崎渓水)
句会報
全国大会報告
エッセイに
小山貴子「放哉を訪ねて 長春その1」
 きむらけんじ「きまぐれ写俳日記28」

※第2回尾崎放哉賞が決定しています!
 結果についてはこちらをご覧ください

入賞句のなかで私が印象に残った句は
・そこから何かがはじまる穴ひとつ掘る 久光良一
・赤い靴買うここは反撃のまち     小笠原玉虫

※敬称略

(文:久坂夕爾)

同人の句(青穂2019年8月号より)

(前半)
ひとり一句ずつ紹介

冬にプールに貌を映す           伊藤風々
十四回目の春にいて亡き子よ私は幸せです  おおひさ悦子
新緑の淵底の両眼             松岡月虹舎
心の傷痕癒えることなく石楠花の小径    後谷五十鈴
ゆっくりあるくうす紅色のみち       渡辺敏正
終業、しずかに蒸発する          無一
スマホに導かれ国東半島ひとまわり     渡辺敬子
ひとときはあの日の君と曼殊沙華      高橋恒良
今日もやっと演じ終えた生きるという荒業  久光良一
庭にあじさい植えて帰りたい鎌倉      南家歌也子
橡の花りっとらっとるっとれっといっと栗鼠 伊藤清雄
ガガガの背後その背後そのまた背後     久坂夕爾
春の気配がノックする真夜中の秒針     埋田貞子
行間に漂う恋文の不協和音         いまきいれ尚夫
今や画だけの夢二の女たち         佐瀬広隆
わけもなく笑えた日の海はない       重富佐代子
手と手で確かめあう無音の景色       楽遊原
覚悟も心許ない老々介護梅雨に入る     中村友乙
予定表の旅先だけは太字である       弓削酔魚
掴んだ浮きはルアーだった         ゆきいちご
前髪かき上げ予定のない朝         大軒妙子
ぬるりと出る夏の月            田畑剛
ねじれるかぎあなありふれた女のふあん   三好利幸
連れてってと子犬の目           ちばつゆこ
一人欠けたよ誰も気付かない        久次縮酔
青菜と届いた蝶がまい出る         小池ますみ
予期せぬ風に吹かれて宙返り        田中昭雄

(文:久坂夕爾)

2019年8月14日水曜日

ペガサスの時代(自由律俳句誌「きやらぼく」の源流)





せつせつとした長律の自由律俳句が特徴的でした。

青穂では後谷五十鈴さんがその長所を引き継いでいると思われます。
短律と長律は、ことばの扱い方が違う気がしますね。当然読み方も。
短い表現では屈折や飛躍がめざましく読者をとらえるのに対し、
長い表現では声やことばを積み重ねた情景が染み入るようです。

いくつか印象に残った句を。

思ったほどの感傷もなく子を堕してからの松の芯に陽 三好米子
女それをこばんだ夜がいつか朝になっている透明なガラス 井上安江
しょせん使われる者の立場を知ってしまい爪きれば指にかよう血の色 朝倉秋富
バイオリンでは食えんよと言って弾いておる男黄昏れはじめる 岡崎守弘
さくら、山の手の煙草屋の百万円当ったポスターにさいておる 井上有紀男
草の匂い草丈高くたわむれに少年の一人が悪者になっている 三好草一



あとがき「ペガサス」を復刻するにあたって 三好利幸

手許に古びた八冊の句誌が残されていた。岡崎守弘と後谷五十鈴の手を経たものだが、B四版二つ折り八頁から十二頁のスタイルは現在の「きやらぼく」にまで踏襲されており、これが、河本緑石の「苺の会」を源流とし、戦前の「あをぞらの会」、戦後の「日ざしの会」を継いで賑わしいものとなった「ペガサスの会」の句誌だった。その会が活動休止を余儀なくされた後「梨の花の会」として復活し、名前を変えて「きやらぼくの会」となり、現在も倉吉の地に滔々と息づく自由律俳句の流れとなっている。(後略)


私、久坂が仲間と同人誌を創刊したころは、1行表示しかできないワープロを駆使したコピー冊子でした。神保町の「コピー屋」(そういう店が当時はあった)で大量コピーし、新宿のアドホックで買った製本用ホチキス(軸が直角に曲がって、中央で閉じられるタイプのもの)で綴じて。そんなことを懐かしく思い出しました。

「ペガサスの時代」は三好利幸氏より寄贈されました。感謝。

(文:久坂夕爾)

紹介したい寄贈図書がいくつかあるのですが、個人的事情により掲載が遅れてしまっています。申し訳ありません。少しづつ掲載します。

2019年7月11日木曜日

岡山で青穂の大会を実施! 続き




講演に引き続いて、句会、そして様々な決議事項を皆で決める総会、その後、懇親会を開催。飲むとますます盛り上がるのは、通例のこと。俳句論あり、他の結社論あり、人物論あり。特に池畑先生も出席いただいた二次会では、住宅顕信に関するフォローアップ講演の様相を呈し・・・。短い人生ながら、それを上回る時間が経っても、このように強い影響力を発し続ける顕信に改めて想いをはせました。

翌日は吉備路文学館、顕信の句碑、夢二郷土美術館、後楽園を訪問。濃厚な2日間が暮れていきました。来年は浜松で開催の予定です。この画面をご覧のみなさま、どうか、私たちの仲間になっていただき、来年はご一緒に浜松でウナギを食べましょう!

(文:黒崎渓水)

2019年6月25日火曜日

住宅顕信句抄













夜が淋しくて誰かが笑いはじめた
念仏の白い息している
ずぶぬれて犬ころ
水音、冬が来ている
夕焼けに顔のないわが子をさがす
月明り、青い咳する
子につんぼといわれていたのか
深夜の細い針が血管を探している
酔った月が出ている
かあちゃんが言えて母のない子よ
うつむいて歩く街に影がない
水滴のひとつひとつが笑っている顔だ
若さとはこんなにも淋しい春なのか
耳を病んで音のない青空続く
坐ることができて昼の雨となる
降りはじめた雨が夜の心音
夜の点滴にうつすまがった月だ


映画「ずぶぬれて犬ころ」パンフレット掲載の全句集より転載


映画「ずぶぬれて犬ころ」、渋谷ユーロスペースで見てきました。
顕信のドキュメンタリーと、顕信にあこがれる少年の逸話を織り交ぜて。
いじめの描写は少し類型的な気もしますし、
少年サイドの物語や演技には個人的に違和感もあります。
ただ、情感に訴えるタイプの映画にはなっていないのは好感を持ちました。

(文:久坂夕爾)


2019年6月18日火曜日

青穂31号が発行されました

青穂31号表紙














山頭火「うしろすがたのしぐれてゆくか」

青穂抄 田中昭雄選

























































青穂31号が発行されました。

順に、表紙、山頭火色紙、青穂抄

ほか、
同人作品
私の感銘句
一句鑑賞
青穂の窓(高木架京)
エッセイに
 立日十「草木と遊ぶ燕子花」
 小山貴子「放哉を訪ねて 大連 その3」
 きむらけんじ「きまぐれ写俳日記27」

※敬称略

(文:久坂夕爾)

岡山で青穂の大会を実施!

去る6月1日~2日、岡山市で、青穂の大会、および尾崎放哉賞の表彰を行いました。

天候に恵まれたハレの国岡山。季節は最高です。
まずその前日に、役員会を行い。かなり、突っ込んだディスカッションを行いました。
やはり議題で重かったのは、尾崎放哉賞の選考方法。
皆様から頂いた句の宝石の原石たちをどのように磨きこんでいくか・・・。悩んでも悩んでも青い山、です。とにかく今の私たちにできる最善の方法で運営するしかありません。とにかくとにかく気を引き締めて、ということは共有化しました。

続いていよいよ6月1日の午後の表彰式。
受賞された方も全国各地から多数、出席いただき、滞りなく、式が進んでいきました。
その際、一部の選者の熱すぎる句評に、「やはりみんな、自由律俳句が好きなんだな」と再確認しました。一句にホレ込み、熱く熱く語る・・・。句評をぶつけることで、また新たにその衝突エネルギーから何かが生まれるのではないか、と思いながら、式典はあっという間に終わりました。
続いての、講演!岡山大学の池畑先生は、住宅顕信を世に送り出した方。
顕信について語っていただいたのですが、とにかくこれも熱かった!!先生は理学博士で、数学がご専門なのですが、文学、とりわけ自由律。とりわけ層雲の俳人たちへの造詣ことのほか深く、しゃべりに迫力があり、圧倒されました。(続)


(文:黒崎渓水)



x

2019年5月25日土曜日

映画「ずぶぬれて犬ころ」6月1日より渋谷ユーロスペースにて公開


この映画については、ここで何度かお知らせしていますが、
関東圏での上映が決まったようです。

「ずぶぬれて犬ころ」最新ツイート

パンフレットには全句掲載されているようです。
都合のつく方はぜひ。



2019年5月18日土曜日

同人句抄(青穂30号より)

青穂30号から少し同人の句を紹介します。


肋軟骨にピシリと冬の星落ちる 奥野立日十
 電気が走ったような骨の痛み。雷ではなく冬の星にしたところがミソだと思います。

よろけて入る母の名のスナック きむらけんじ
親知らず残らず抜けて鬼になる 平岡久美子

大根鍋の底で念仏唱えている 秋生ゆき
ノイズ真二つ西瓜かな 伊藤静雄
一月も終わる納棺師の白いハンカチ 小山幸子
青年銃の重さを知らず雨もよう 三好利幸
小さな窓が雨降るだけで暮れてしまう 高木架京
寒蜆ぜったいに本音は吐かない 田畑剛
思えばすべてたそがれの酒 久次縮酔
耳の中の大空が船出する 加藤邪呑


(文:久坂夕爾)

2019年4月27日土曜日

俳句関連サイト


今回はちょっと趣向を変えて、私が知っている俳句のWebサイトを集めてみました。
(※個人サイト除く)
このほかに良いサイトがあったら「問い合わせ」欄より教えてくださいな。


詩客SHIKAKU 詩歌梁山泊~三詩型交流企画
詩、短歌、俳句の三詩型を盛り込んだ詩歌トライアスロンという企画があります

現代俳句協会

マルコボ・コム
100年俳句計画という企画があるらしい。
同人のきむらけんじさんが選者を務めるページも。
句集を安価で出版できる仕組みもあり。

自由律俳句大辞典
自由律俳句人の紹介サイト。
ひとり三句は少ないのでもう少し載せてほしいかな。
あと、御中虫(芝不器男新人賞)さんとか宗左近とか
層雲・青穂同人の加藤邪呑さんとかは入ってもいてもいいと思うのですが。

エトレの会
青穂支部エトレの会。

俳句空間-豈Weekly-

自由律俳句協会
昨年秋発足した自由律俳句の協会。

現代俳句協会青年部
最近、「新興俳句アンソロジー」を出版しました。

青穂ホームページ
青穂の公式ホームページ


定型、自由律、多行すべて集う俳句誌。エッセイ・評論充実。

週刊俳句 Haiku Weekly
ちょっと気軽に俳句にふれたいときに訪問します。

ふらんす堂
詩歌句関連出版社。
実は、詩集出版の件で一度相談に行ったことがあります。

きやらぼく
鳥取の自由律俳句誌。

poecri詩歌SNS
詩歌句愛好家が自由に作品発表・批評するSNS。

-BLOG俳句新空間-
俳句誌「豈」。自由律OKの攝津幸彦賞情報も。

尾崎放哉記念館

山頭火ふるさと館

河本緑石記念館

増殖する俳句歳時記
俳句の「読み方」に慣れるために、ここにはずいぶんお世話になりました。

笠間書院
日本文学の出版社。俳句の投稿企画あり。選者は堀田季何さん。


「ずぶぬれて犬ころ」製作支援プロジェクト
住宅顕信を描いた映画を支援するクラウドファンディング。
締切近し。



(文:久坂夕爾)

2019年4月14日日曜日

青穂30号が発行されました


青穂30号が発行されました。
上:三好草一(1908~2003)色紙
下:青穂抄 今回の選は高村昌慶

第2回尾崎放哉賞発表
 入賞作および、全作品が載っています。

ほか、
同人作品
私の感銘句
一句鑑賞
青穂の窓(小山貴子)
エッセイに田中昭雄、小山貴子、きむらけんじ

第6回青穂大会は6月1日岡山にて開催されます。
住宅顕信を世に広めるために尽力された池畑秀一氏(岡山大学名誉教授)
の講演が予定されています。

前にも書きましたが、
住宅顕信の映画が公開されますので、
(クラウドファンディングの結果が気になるところですが)
そのお話しも出るかと思われます。

※敬称略

(文:久坂夕爾)

2019年4月5日金曜日

4月

東京の桜が満開になりました

帰宅途中でみた(埼玉ですが)大宮駅の桜。


今年の桜は長いですね、そんな気がします。

ところで、桜が散るときの姿って、マンガの、ふきだしのない(バルーンに入っていない)セリフのような気がしませんか。
誰かが歌っていて、口もとから音符(♪とか♫)が流れ出している絵柄。のような。
満開なのに散るときの話でした。。。

尾崎放哉賞、決まりましたね。
今週はじっくりと、本誌掲載の応募作に目を通したいと思います。

(文:久坂夕爾)

2019年3月10日日曜日

尾崎放哉賞について




青穂が主催している「尾崎放哉賞」ですが、入賞作品が決定しました!


本当にたくさんのご応募、ありがとうございました。


表彰式は、6月に、岡山にて行います。
青穂の大会と同時に行うのですが、その際、住宅顕信の俳句仲間であった方であり彼を世に知らしめるのに貢献された池畑秀一先生(元岡山大学教授で、今は特任教授)の講演があります。
入賞の方、またご興味のある方は、ご予定ください。
詳細は、またこのブログでお知らせいたします。


(文:黒崎渓水)

2019年2月24日日曜日

俳句アンソロジー






















現代俳句協会青年部編
「新興俳句アンソロジー」をところどころ拾い読み。
自由律関連では、
栗林一石路、橋本夢道、吉岡禅寺洞。

アンソロジーというと、
俳句を書き始めた頃に出会った
・川名大「現代俳句」、
・清水哲男「増殖する俳句歳時記」
(言わずもがなかも知れませんが、ネットでも読めます。ここ。)
俳句が実は面白いものだと気付いた
・中村裕「俳句鑑賞450番勝負」
たぶん阿部青鞋の句に初めて出会ったのはここではないかと思われる
・冨田拓也 俳人ファイル
(確か俳句空間か豈Weekly)

あたりが、思い出されます。
もっと著名な俳人のものも数冊読みましたが、
何が面白いのかピンと来ない。
私には合わなかったのでしょう。


栗林一石路の章(相子智恵選)からいくつか引きます。

死ぬ日近きに弟よ銭のこといえり
シャツ雑草にぶっかけておく
どれにも日本が正しくて夕刊がぱたぱたたたまれていく
娘よひきあげろ働いた金だぞふんだくってでも来(こ)うよ
なにもかも月もひん曲がってけつかる
どっと笑いしがわれには病める母ありけり


最後に、「シャツ」の句に関する清水哲男氏の至言を。上記の「俳句歳時記」から。

戦前のプロレタリア俳句運動の代表句として知られるこの一句は、現在にいたるもその訴求力を失ってはいない。これが俳句だろうかだとか、ましてや無季がどうしたのとかいう議論の次元をはるかに越えて、この力強く簡潔な「詩」に圧倒されない人はいないだろう。そして詩とは、本来こうあるべきものなのだ。根底に詩があれば、それが俳句だろうと和歌だろうと、その他の何であろうが構いはしないのである。くどいようだが、俳句や和歌のために詩はあるのではない。逆である。


***


さきごろ詩人の入澤康夫さんが亡くなりました。
失礼ながら、特に積極的に読んだ詩人ではないのですが、
それでも、「キラキラヒカル」など(詩集「倖せそれとも不倖せ」)は
覚えています。

感情を排して「物語詩」「叙事詩」を書こうとした方だったと思っています。

(文:久坂夕爾)

2019年2月12日火曜日

住宅顕信「未完成」英訳


twitterで知ったのですが、
住宅顕信の句集「未完成」を英訳されている方がいるようです。
津山高専の教員の方のようです。

興味のある方は読んでみてください。

http://repository.tsuyama-ct.ac.jp/metadata/228

http://repository.tsuyama-ct.ac.jp/metadata/218


映画「ずぶぬれて犬ころ」も岡山映画祭での上映が終り、
今年はどこかのミニシアターで公開されるのではないでしょうか。

「ずぶぬれて犬ころ」公式twitterアカウント
映画の予告編も見ることができます。
https://twitter.com/zubuinu

(文:久坂夕爾)

尾崎放哉賞について


青穂が主催している「尾崎放哉賞」ですが、選考が進んでいます。
皆さまから頂いた魂のこもった作品たち、選者一同、とてもとても、頭を悩ませています。

3月に入りましたら、入賞作品を発表できると思います。
もうしばらく、お待ちください。

(文:黒崎渓水)

2019年2月11日月曜日

青穂29号


 青穂29号が発行されました

左は住宅謙信の色紙

「夕が冷たい音落した」
青穂抄、今回の選者は高橋恒良




















他、
・青穂の窓 吉多紀彦
・一句鑑賞、句会報
・内田サヨ、小坂みゆき 追悼 遺句抄
エッセイ
・放哉を訪ねて 大連その1 小山貴子
・きまぐれ写俳日記(25) きむらけんじ


内田サヨ様、小坂みゆき様のご冥福をお祈りいたします

ピンクの帽子春風に押されペダルが軽い 内田サヨ
青い柿の実ポトンと落ちて一生 
静かな日々をあつめて山栗落ちる    小坂みゆき
開拓の挽臼に光さす冬の庭


※敬称略


2019年1月29日火曜日

飯島翠壺洞句抄

昭和50年代に数年間だけ、
自由律俳句誌「層雲」に登場し亡くなった飯島翠壺洞

長野県長野市で、別名にて評論誌に参画していたことくらいしか
足跡をたどれませんでした。
山頭火が出発点ながら、
その影響を脱した句の暗い象徴性、幻想風景は印象的です。

こういう自由律俳句が(もっと)あってもいいと思うのですが。


美しいけもの罠に陥ち枯野雪ふる
月夜の海がけものの骨あらっている
鬼面つければ暗い湖底の音が聞こえる
塚累々ひとの墓うまの墓ちょうの墓
空の静けさがもう夜を溜めはじめた
私の内なる丘の上の春露に蒼き鹿立てり
春の夜の原野にひとり鳴る警報機

甲虫仰向けに落ちて軋む山の深緑
氷水の赤い唾吐きまた炎天を歩き出す
海峡を渡る鷹の一瞥雑魚とる舟に投げた
貧しい酒場を出ると瓦礫の迷路だった
駅裏の屋並が星の植民地になっている
どの石も虫の声ある石
疲れ果てて魚臭い町に着いた
物干しに蛸寒々と揺れている薬局
薄幸なやつが逝った安らぎに似た悲しみ

※昭和50年代の「層雲」よりピックアップ

(文:久坂夕爾)


2019年1月26日土曜日

きやらぼく若手作家競詠


自由律俳句誌「きやらぼく」新年号特集にて、
若手作家競詠。

寄稿者は、
日下部直起
本間とろ
久坂夕爾
正木かおる
若木はるか
月野ぽぽな
松尾貴
杉本ゆきこ
馬場古戸暢

ありがたいことに、私も寄稿させていただいています。
少しだけ作品を紹介します。

水の音だった鍵盤からこぼれる     日下部直起
街を化け物のように見上げる      本間とろ(青穂同人)
缶詰に身の脂、あ、あ、あ、あふれて  久坂夕爾(青穂同人)
雪だるまひとつ置いて本日休業     正木かおる
電波塔は鳥籠 閉じこめ放つ幾億のうた 若木はるか
ともだちの手紙の字風邪ひいている   月野ぽぽな
立ち止まっても流されている      松尾貴
擦りきれた夢捨てるシマウマ海岸    杉本ゆきこ
夜が近づくにおいと帰る        馬場古戸暢


きやらぼくは鳥取の自由律俳句誌
発行後にバックナンバー(PDF)としてサイトにアップされます。

http://kyaraboku.blogspot.com/


作者自身の情動をストレートに感じさせる、若木・松尾・馬場氏に対し、
月野・本間氏はひと呼吸おいて自分を見つめているように思えます。

自然(外界)を表現しようとする方では、
印象主義的な日下部氏や、私(久坂)など。

是非、上記きやらぼくのサイトで、ご覧ください。


(文:久坂夕爾)


2019年1月10日木曜日

第2回尾崎放哉賞の選考始まる!

たくさんのご応募、ありがとうございました。11月30日に締め切り、整理が終了、
一般の部・高校生の部合わせて、1500句以上の珠玉の句が集まりました。



これから選句です。
皆さまの魂のこもった作品です。

読む方も、相当な気合い!を入れなければなりません。
現在、選者(と言ってもそれほど偉くはありません。放哉のことを一途に思う青穂のメンバーです)が真ごころ込めて、一生懸命、一句一句を凝視しています。
句を寄せていただいた皆さん、本当にありがとうございました。



概要、および今後は、こんな感じです・・・。

一般の部

尾崎放哉大賞1名・・・賞状と賞金 10万円
優秀賞5名・・・・・・賞状と賞金 1万円
入賞10名・・・・・・賞状とクオカード 3千円分

高校生の部

最優秀賞1名・・・・・賞状とクオカード 5千円分
優秀賞10名・・・・・賞状とクオカード2千円分
特別賞5名・・・・・・愛媛県愛南町特産品(俳人 夏井いつき氏の出身地 愛南町よりご提供いただきました)


表彰式:

2019年 6月 1日(土) 場所:岡山市(青穂大会)にて


詳しくはHPをご覧ください。


www.hosai-seiho.net/


(文:黒崎渓水)