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2024年1月14日日曜日

記憶に残る俳人・俳句(7)~(12)

青穂本誌での企画記事「記憶に残る俳人・俳句」。

同人各自が紹介する、自由律俳句・俳人を転載します。


・市川一男(1901~?)

 人に逢いたくない日の自分の足あたためてやる

 さびしさ一つこらえては透明なうろこ一枚はやし

 まっくらやみにもつれて糸がひとかたまり

・まつもとかずや(1928~?)

 だまってだまって、このいしをあちらへのけるこうい

 ちちはつねに、おおきななみだをためている

 不況がきびしく、下むいてとぐはさみのむこうに家族

・尾崎善七(1907~1938)

 まずしさ軒に夕月一つ火をたく

 月の明るさ児を負うてゆく

 やなぎゆれる冬あおぞらの子を抱いて纏足のおんな

 人間が人間と血を流し今日も空がすっきり澄んでいる

 私が戦死した夢であったりして暁の星一つまたたく 

・渡野邉朴愁(わたのべぼくしゅう)(1927~2016)

 裸いとし人間なんとたくさんの傷あとを持ち

 尾骶骨にいつもあるおもい昼月欠けて浮く

 地球剥ぐと宙へひらひらいちまいの四季

 寒さ音にして湖心さす舟

 枯野の嗅覚火にすると春が匂う

・塩地キミヱ(1936~2017)

 はじめて踏んだお百度の足を洗う

 生きる意味求めて七十九歳暑気中り

 丁寧に生きたしるしの固いペンだこ

 嫌われてもいい清廉でいたい女の秒針

・佐瀬茶楽(1905~1989)

 畑は菜の花にうもれる満月 

 と、ゆらぎ海は黄金の朝暾

 婆がわらうつ音のするしぐれ

 おもてへでてうちわの軽さ持っている

 子が子をつれてくるお正月

・岡野宵火(おかのしょうか)(1916~1951)

 バス満員で下ってしまふと秋の高原を残ってゐる人たち

 逢ふてさえをれば、の二人で秋が散って散って


何かひっかかる句(人)、惹かれる句(人)があれば幸いです。

いい企画ですよね。私が注目したのは渡野邉朴愁。


(文:久坂夕爾)


2023年12月17日日曜日

青穂50号よりお知らせなど

 




青穂50号より、お知らせなどを転載します。

上:①山頭火ふるさと館自由律俳句大会
  (現時点では募集は締め切っています)
  ②同人新刊紹介
   「花野抄」第十九集  仙台・花野句会
   「エトレ第三句集」  大阪・エトレ句会

下:神奈川近代文学館 会報161号
   久米正雄の書簡紹介
  山頭火ふるさと館 企画展案内(2024年1月8日まで)
  尾崎放哉記念館 尾崎放哉の葉書・添削句稿(藤田踏青氏寄贈による)


 神奈川近代文学館は2回ほど行ったことがあるのですが、木々に囲まれていて落ち着いた雰囲気の文学館で、散策にもいいかもしれません。小説家久米正雄は名前だけ知っている程度ですが、一時期俳句を目指していたのは初耳。
 「体操詩集」「亡羊記」の詩人村野四郎も、一時期「層雲」で自由律俳句を作っていましたね。この方は俳句評論も書いています。村野四郎記念館は、東京都府中市の「府中市郷土の森」に。多分、世間的には難しいと言われがちな詩を書いた現代詩人ですが(いえ、私にとっては好きな傾向の詩なのですが)、こども向けの詩も書いています。おなじみの歌「ぶんぶんぶん はちがとぶ」の歌詞は、元はボヘミア民謡で村野四郎訳。

(文:久坂夕爾)




2023年9月11日月曜日

同人の句より(青穂49号)

青穂49号の同人の句よりいくつか紹介します。

例によって、私の句評は参考程度に。


蝉しぐれ唖の両手目まぐるし        楽遊原

 「蝉しぐれ」と、続く「唖(唖者)」は、初見ではかなりの飛躍に思えるかもしれませんが、案外近いところにいます。というのは、「音」「光」は、それが元々ない場面(静寂、闇など)だと目立つのですが、それだけが過剰に存在すると「音」も「光」も知覚できなくなる。芭蕉の句の、蝉しぐれを「しずけさ」と感じる所以のように。発語が困難な方(しかも多分聴覚は正常な方)の表面上の無音と、手話をする両手(つまりその人の思考や感情)の切迫感を対照的に表現しています。個人的には、「し」で終わると文語調になって、両手の躍動感が殺されてしまったのではないか、自由律だからもっと語尾も自由に口語らしくしたほうが、と少し気になりましたが。

花首切られ俄かに人の華となる       一の橋世京

 「俄かに」と接続されると、首を切られた瞬間が読み手の脳裏に残ったままの状態で、次の節(人の華)の意味を拾うことになります。切り花が人の心を楽しませる、という、それだけの意味を伝えるだけでしたら、一般論だけで作者自身がいない凡庸な句になってしまうのですが、そこに、「(花屋の手によって)首を切る・切られる」という行為の残像を見せたことで面白い作品になったと思います。

さくらさくら隠した鬼がでてきて騒ぐ    高木架京

 「隠れていた」ではなく、「隠した」。この句にほのかに「批評」(自分に向けてなのか他者に向けてなのかはわかりません)を感じるのは、「隠した」のは、「鬼」とはいったい誰だろう、と考えさせられる部分があるからでしょうか。さくらの花かげからぞろぞろ鬼がでてきて、そこには本当は鬼がいるのだと不意に気付いてしまう恐ろしさ。

小手毬転がってゆく闇の中         小山貴子

 小手毬の花の様子をうまく捉えた句。闇に転がすことで、自分の預かり知らないところで何かが連綿と続いているという、えもいわれぬ感覚を呼び覚まします。

あした着てゆく喪服ひろげて欠伸     伊藤人美

 人にはいろいろな感情がありますから、『喪服』という題材=『悲しみ・悼み』とは限らず、おそらく、さほど関係の深くない人の葬儀前日の、もしくは葬儀続きで疲弊していて、あまり積極的には行く気になれない心中を捉えています。ありのままの気取らない日常を捉えていて、俳句は「雑」(あらゆる瞬間)の詩でもあります。捉えどころがいい。


妻をほめるふわり海月が寄ってくる    奥野立日十

つけ睫毛ケースに入れて故郷へ帰った   きむらけんじ

菜の花は海に溺れる無限階段       加藤邪呑




(文:久坂夕爾)


2023年6月10日土曜日

第7回尾崎放哉賞募集受付中!

 





第6回の尾崎放哉賞発表の本誌記事転載
上:放哉賞高校生の部
中:放哉賞一般の部
下:本誌よりお知らせ

応募句はすべて、「青穂」本誌に掲載されます。

第7回尾崎放哉賞の募集も始まっています、
※第7回より、高校生の部は
『エクセル添付のメールのみ受け付け』と変更になっています。
注意してください。

詳しくは、下記を参照してください。

たくさんの応募、お待ちしております。


放哉賞とは関係ないのですが、
信濃毎日新聞にて、自由律俳人松尾あつゆきの記事の連載が先ごろ始まっています。
長野県内在住でご興味のある方はぜひお読みください。
(たしか県外でも取り寄せできた気が。。。できなかったらすみません。)
原爆詩集の峠三吉や原民喜は有名ですが、俳句で被爆体験を高い水準で作品化した方です。

これも関係ないのですが。というかどうでもいい話ですが、
中・高校生時代、私は新聞配達をしていまして、信濃毎日新聞の専売所に毎日通っておりました。


(文:久坂夕爾)

2023年5月5日金曜日

青穂48号が発行されました。





青穂48号が発行されました。


画像は順に、表紙、自由律俳人の筆跡(伊藤雪男)、青穂抄(渡辺敬子選)。

目次より本号の内容
・第六回尾崎放哉賞発表
・同人・準同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(黒崎渓水選)
・エッセイ・評論
 記憶に残る俳人・俳句10        河野初恵
 私と自由律俳句10           久光良一
 『後谷五十鈴 自由律俳句集』鑑賞    黒崎渓水
 <<忘れえぬ女>>
  イワン・クラムスコイ画        奥野立日十
 「きまぐれ写俳日記44」        きむらけんじ
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 お知らせ、編集後記
 第十回青穂全国大会(東京)ご案内
 『青穂』第二句集募集案内


(文:久坂夕爾)

2023年3月25日土曜日

青穂47号よりお知らせなど

 



青穂47号よりお知らせなど転載します。

上:同人新刊 後谷五十鈴自由律俳句集 りばてい文庫

  尾崎放哉ニュース

  こんな本見つけました

下:山頭火ふるさと館ニュース

  企画展は4月9日まで開催


(文:久坂夕爾)



2022年7月24日日曜日

青穂大会・尾崎放哉賞授賞式でのこと「尾崎放哉とヨルシカ」(1)

 今回はもう一人の裏方が担当します。

5月の尾崎放哉賞の授賞式に出席したのですが、協賛をいただいている春陽堂書店さまのご挨拶の中で「最近、放哉はヨルシカなどでも盛り上がっており・・・」というコメントがありました。当方「???」

式の運営もあり、その場は質問することもなく過ぎたのですが、懇親会で高校生の部の入賞者と隣席となりました。「どうして自由律俳句を作り始めたの?やはり山頭火?」というありふれた問いを投げかけたところ、「ヨルシカがきっかけです」ときっぱり凛々しく答えてくれました。当方「???」

「オジサンさあ、何語を言ってるのかよくわからないんだけど、それ何なのか教えてくれる?」と哀願したところ、彼はニッコリとほほ笑んで、おもむろにスマホを取り出し、YouTubeで示してくれました。

知ってる方は知ってるのだと思いますが、人気のあるバンドだそうです。一部の楽曲は尾崎放哉の句のオマージュとなっているとのこと。


ヨルシカ『嘘月』より。

「夏が去った街は静か 僕はやっと部屋に戻って 夜になった こんな良い月を一人で見てる」

「歳を取った 一つ取った 何も無い部屋で春になった 僕は愛を、底が抜けた柄杓で呑んでる」

ヨルシカ「usotsuki」


放哉の句はそのまま引用されているわけではありません。

とても練り上げられた歌詞だと思います。次回はヨルシカの「思想犯」を引用します。


(文:黒崎渓水)


2022年7月10日日曜日

記憶に残る俳人・俳句(1)~(6)

青穂本誌では、約1年前から「記憶に残る俳人・俳句」という持ち回り記事が掲載されています。

最新号の(6)まで、どういう俳人・俳句が掲載されているか、ちょっと抜粋してみます。


・近木圭之介(1912~2009)

 いっしょにあるけばまがってゆくみち

 自画像 青い絵の具で蝶は塗りこめておく

 朝 卵が一個古典的に置かれていた


・井上泰好(1930~2015) ※第1次尾崎放哉賞主催者

 桜が咲いて地球がやさしい顔になる

 埋めて貰う墓地から港が見えて春の海

 何はなくとも春の風がある古里に住む


・吉田雅童(?~2007)

 石に雨ふる短律

 蛇とて月夜の木のてっぺん

 天からもろうて雨もり


・吉浦俊雄(1930~2014)

 夕闇青く草が蛍をはなつ

 おのおのおのれの脱いだ履物へ散会す

 こころ炎天へ耕してからっぽな土とす


・時実新子(1929~2007) ※川柳作家

 ブラックコオヒイ女がさめてゆく過程

 入っています入っていますこの世です

 ひぐらしが死ぬほど泣いたひとごろし


・高田弄山(1956~2013)

 ほたる仮縫いの夜をほどく

 笑っている人の顔で笑っている

 酔いしれてバラの上で風葬される


気になった作家がいましたら、ネットで検索してみてもいいかもしれません。

私も、俳句を始めたころは、よくネット検索して好みの作風の作家を探したり、好みの作家の作品を探して、ネットの国会図書館のページを探ったりしていました。

そして、このページが、そういう方の検索時にひっかかってくれると、うれしいですね。



(文:久坂夕爾)


2022年6月11日土曜日

青穂44号のお知らせ記事

 




青穂44号より、お知らせ記事など掲載します。

上)山頭火コーナー
中)同人新刊コーナー
  ならどっとFMだより

きむらけんじさんのエッセイなども(最近載っていませんが、久次縮酔さんの釣りエッセイも)、面白いので載せたいのですが‥‥。


一番下の画像は、
「放哉」南郷庵友の会の尾崎放哉賞記事

(文:久坂夕爾)

2022年5月14日土曜日

青穂44号が発行されました




 


青穂44号が発行されました。
画像は、表紙(住宅顕信より井上敬雄宛葉書)、青穂抄(福田和宏選)、色紙(尾崎放哉)

目次より本号の内容
・第5回尾崎放哉賞発表
・新同人紹介
・同人・準同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(黒崎渓水選)
・エッセイ・評論
 記憶に残る俳人・俳句5         奥野立日十
 私と自由律俳句4            秋生ゆき
 鑑賞「花野抄 第十八集」        黒崎渓水
 「茉莉花 第二句集」鑑賞        奥野立日十
 松の会 第14句集「松」鑑賞      弓削酔魚
 「きまぐれ写俳日記40」        きむらけんじ
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 同人新刊案内、お知らせ、同人情報、編集後記
 第9回「青穂」大会(浜松)のご案内

(文:久坂夕爾)

2022年5月1日日曜日

同人の句より 素材の面白さ・認識の面白さ

感情やら意見やら、というものは、自分のなかから自然にたちあがってくるものではなく、それのきっかけ・芯になるようなものがかならずあると思っています。何を見たのか、何をどうみたのか、感じたのか。人間の感情や意見は結構似通っていますが(だから「共感」や「季語によるイメージの共振」が生まれるのですが)、これらは個性的です。

ということで、本誌前号から、ちょっと面白い素材、ちょっと面白い見方・感じ方(認識)があると思われるものを選んでみました。

作者はこの句を作る際、ことばの奥に何を見ていたんだろう、何を感じていたんだろう、と想像するのが面白い。句として成功しているかどうか、は目利きのかたの判断にゆだねるとして。卑近な素材から庶民感情を描く、散文的、という意味で川柳に近いものもあります。もっとも、現代は川柳・俳句の区別は結構あいまいで、区別の必要はないという意見もあるようです。


肉豆腐ワシントン広場には風花      伊藤清雄

筋トレしてきた昨日お父さんが死んだの  鈴木しのぶ

入り江は食い意地を張る         早舩煙雨

鳥籠の子らは闇のピエロの仕業です    おおひさ悦子

おてんとさまちかみちをしてずるい    田畑剛

止めたところから夢を再生する      黒崎渓水

音を殺して熟柿を啜った         𠮷田敷江

人嫌い烏瓜の宙ぶらりん         高木架京

かくれんぼ鬼ばかり増えていく秋の野   平岡久美子

バラ亭開店藤島恒夫のチンドン屋(※)  草場克彦

身のうちに烽火をあげる分身Z      奥野立日十

暗闇が乗車してくる無人駅        水上百合子

すきにしたらええやんか月夜の案山子   伊藤人美

基地の献立は既に侵略されていた     福田和宏

今朝もまず猫じゃらしの会釈       吉多紀彦

前へならえの前は極道になりました    きむらけんじ

象が足つっこんで萩あふれるバケツ    小山幸子

野薊は空と海との表面張力        加藤邪呑

曇り空どこまでもあんたのせい      小山貴子



※藤島恒夫 おそらくですが、正しくは藤島桓夫(たけお)だと思われます。演歌歌手。代表曲は「月の法善寺横丁」 wikipediaより参照。


「死んだの」「ずるい」「なりました」「あんたのせい」。せきしろ氏の自由律俳句でも感じることですが、口語の語尾のニュアンスを生かせるのは自由律俳句の親しみやすさでもあるでしょうね。


(文:久坂夕爾)

2022年2月11日金曜日

青穂43号が発行されました

 






青穂43号が発行されました。
画像は、表紙(戸田勝画)、青穂抄(平山礼子選)、色紙(荻原井泉水)

目次より本号の内容
・新同人紹介
・同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(高木架京選)
・エッセイ・評論
 記憶に残る俳人・俳句4         後谷五十鈴 おおひさ悦子
 私と自由律俳句4            薄井啓司
 吉多紀彦句集「ふりむいたねこ」を読んで 平岡久美子
 吉多紀彦句集鑑賞            久光良一
 きむらけんじ「きまぐれ写俳日記39」
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 同人新刊案内、お知らせ、同人情報、編集後記


「記憶に残る俳人・俳句」という面白い企画が始まっています。
平成令和の自由律俳人の、多様な作風のラインアップはなかなか触れる機会がないので、
私は楽しみにしています。


敬称略
(文:久坂夕爾)

2021年12月26日日曜日

青穂42号よりお知らせなど


青穂42号よりお知らせなど転載。

上:代表のならどっとFM出演記事

下:同人新刊案内

  「自由律俳句集 ふりむいたねこ」 吉多紀彦(喜怒哀楽書房)



(文:久坂夕爾)


2021年11月13日土曜日

青穂42号が発行されました

 







青穂42号が発行されました。
画像は、表紙(戸田勝画)、青穂抄(平岡久美子選)、色紙(荻原井泉水)

目次より本号の内容
・「青穂」2021年度 総会結果報告
・追悼 高村昌慶様
・同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(小山貴子選)
・エッセイ・評論
 記憶に残る俳人・俳句3 伊藤清雄
 私と自由律俳句3    楽遊原
 草木と遊ぶ「ハルジオン」と「ヒメジョオン」 奥野立日十
 風呂焚き        薄井啓司
 「三好利幸自由律俳句集Ⅴ」を味わう 福田 和宏
 鑑賞「新墾 自選句集」 黒崎渓水
 きむらけんじ「きまぐれ写俳日記38」
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 同人新刊案内、お知らせ、同人情報、編集後記
 第5回尾崎放哉賞募集案内

敬称略
(文:久坂夕爾)

2021年8月10日火曜日

青穂41号が発行されました

 




青穂41号が発行されました

画像は、上から表紙(戸田勝画)、色紙(吉岡禅寺洞)、青穂抄(久光良一選)

目次より本号の内容
・第8回青穂大会受賞作品
・八年目を迎えて(代表 小山貴子)
・青穂2021年度 総会(書面決議)議事
・新同人紹介
・同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(吉多紀彦選)
・青穂第一句集互選互評⑫
・エッセイ・評論
 記憶に残る俳人・俳句
   いまきいれ尚夫 奥野立日十
 私と自由律俳句
   鈴木しのぶ 島田茶々
 青穂第一句集 互選互評⑫ 追補
 終戦75周年 渡辺敏正
 きまぐれ写俳日記36 きむらけんじ
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 同人新刊案内、お知らせ、同人情報、編集後記

敬称略
(文:久坂夕爾)

2021年6月13日日曜日

同人の句より 少年・少女・男・女・親・子・孫

身近過ぎて難しい。ステレオタイプになりやすい、甘くなりやすい

少年・少女・男・女・親・子・孫

という題材で、最新の「青穂」から無作為に作品をひろってみました。


春に亡き子の影はなし            おおひさ悦子

 同じ作者には、私が好きな句「十二年も同じ顔の子を見て飽きない」があります。

今回は『不在』(観念)を表現していますが、「十二年~」の句は『在』(行為)を表現しており、逆に作者の(子の不在を思う)情動がありありと見えてくる様に個人的には思えるのです。ここを読んでいる方々はどう感じるでしょうか。


バス停に立っているまだ母の顔        鈴木しのぶ

男湯と女湯だけの暖簾が揺れる        楽遊原

児の言葉流れていくよ下り花         伊藤静雄

頬被りの女人形焼きを売る          伊藤風々

おとぎ話丸めながら親子の毛糸玉       いまきいれ尚夫

わきまえない女たちに日脚伸びている     平山礼子

少女るり蝶さがす青春のうなり        ゆきいちご

象の祖母象の母象のわたしアカシアの花のした 久坂夕爾

女子高生のラブレターきて水男子湧く     奥野立日十

女の体を淡く浮かせて狼となる        久次縮酔

夜が怖くて起きてきた子           伊坂恵美子

胸の底貴女の影がかしこまる         秋生ゆき

女に生まれたくなかったの鏡に春寒し     小山幸子

私の鼓動この子の鼓動合わさる布団の中    ちばつゆこ

振鈴朗朗と七五三への思いの新たなる     小池ますみ

コロナ禍で安否気遣う遠方の息子       渡辺敬子

朝焼けの消えぬまに息子の弁当盛付けて    加藤武

自らを語らず青年そこはかとわらう      幾代良枝

ランドセルにジャンパー着せて三寒四温    河野初恵

激昂する男の夢で覚めたがまた寝る      小山貴子

子と孫は遠く離れて独居の薬の数       渡辺敏正

蟹座のおばあちゃんはたぶんお人好し     南家歌也子

公園や孫の手を引き今引かる         高橋恒良

道すがら満月指して尋ねる児         西川大布団


(文:久坂夕爾)


2021年5月24日月曜日

青穂40号および放哉友の会機関紙の記事紹介

 



画像①②
 青穂40号のお知らせ記事
 ① 新刊案内 自由律俳句と詩人の俳句/樽見博 文学通信
 ② 荻原井泉水のはがきに関する記事

画像③④
 「放哉」南郷庵友の会機関紙より
 ③ 表紙および「尾崎放哉との対峙」と題された絵画展案内
 ④ 尾崎放哉賞記事

(文:久坂夕爾)

2021年5月15日土曜日

青穂40号が発行されました

 






青穂40号が発行されました。
画像は、表紙(戸田勝画)、放哉新発見資料(※1)、青穂抄(久次縮酔選)
尾崎放哉賞記事(一般の部、高校生の部※2)

※1 本誌にて小山貴子による詳細記事を載せています。
※2 本誌には、入賞句および選評の他、応募作品すべてが掲載されます


目次より本号の内容
・第4回尾崎放哉賞発表
・新同人紹介
・同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(佐瀬風井梧選)
・青穂第一句集互選互評⑫
・エッセイ・評論
 小山貴子 新発見!放哉俳句
 きむらけんじ「きまぐれ写俳日記36」
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 お知らせ、同人情報、編集後記

敬称略
(文:久坂夕爾)



2021年3月13日土曜日

訂正

 「青穂について」のページを訂正しました。

発行頻度が、昨年より、隔月刊から季刊に変更になっています。


(文:久坂夕爾)


2021年2月11日木曜日

青穂39号が発行されました

 




青穂39号が発行されました。
画像は、表紙(西部香代子画)、色紙(喜谷六花)、青穂抄(早舩煙雨選)

目次より本号の内容
・新同人紹介
・同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(平山礼子選)
・青穂第一句集互選互評⑨⑪
・エッセイ・評論
 久次縮酔 樹林の釣り2
 奥野 章 草木と遊ぶ 蝋梅
 平山礼子 久光良一句集「男という孤島」鑑賞
 久坂夕爾 酒本郁也句集鑑賞
 きむらけんじ「きまぐれ写俳日記35」
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 お知らせ、同人情報、編集後記

(文:久坂夕爾)