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2019年9月8日日曜日

同人の句(青穂2019年8月号より)

(前半)
ひとり一句ずつ紹介

冬にプールに貌を映す           伊藤風々
十四回目の春にいて亡き子よ私は幸せです  おおひさ悦子
新緑の淵底の両眼             松岡月虹舎
心の傷痕癒えることなく石楠花の小径    後谷五十鈴
ゆっくりあるくうす紅色のみち       渡辺敏正
終業、しずかに蒸発する          無一
スマホに導かれ国東半島ひとまわり     渡辺敬子
ひとときはあの日の君と曼殊沙華      高橋恒良
今日もやっと演じ終えた生きるという荒業  久光良一
庭にあじさい植えて帰りたい鎌倉      南家歌也子
橡の花りっとらっとるっとれっといっと栗鼠 伊藤清雄
ガガガの背後その背後そのまた背後     久坂夕爾
春の気配がノックする真夜中の秒針     埋田貞子
行間に漂う恋文の不協和音         いまきいれ尚夫
今や画だけの夢二の女たち         佐瀬広隆
わけもなく笑えた日の海はない       重富佐代子
手と手で確かめあう無音の景色       楽遊原
覚悟も心許ない老々介護梅雨に入る     中村友乙
予定表の旅先だけは太字である       弓削酔魚
掴んだ浮きはルアーだった         ゆきいちご
前髪かき上げ予定のない朝         大軒妙子
ぬるりと出る夏の月            田畑剛
ねじれるかぎあなありふれた女のふあん   三好利幸
連れてってと子犬の目           ちばつゆこ
一人欠けたよ誰も気付かない        久次縮酔
青菜と届いた蝶がまい出る         小池ますみ
予期せぬ風に吹かれて宙返り        田中昭雄

(文:久坂夕爾)

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