お知らせ

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆お知らせ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ヘッダ写真はアルプス穂高岳。 見本誌の請求や記事内容への問い合わせなどは「問い合わせフォーム」をご利用ください。 Twitterへのリンクを張りました。右側スリットにあります。

2024年4月22日月曜日

ブログ20000アクセスありがとうございます

いつも訪問ありがとうございます。

本ブログのアクセス数が、開設以来20000アクセスを超えていました。




以下にアクセスの多い記事の一覧を載せています。

・黒崎渓水さん執筆のヨルシカの記事がやはり強いです。今後もアクセスが伸びると思われます。

文学・芸術系作品/作家は、娯楽系作品に引用・転用・模倣されて一般に流布していくようなところもありますので(マンガ・文藝ストレイドッグスや、以前現代詩の一節を引用した歌詞などがあったように。アニメでも悪の華-ボードレールの詩集名が由来-という作品がありました。曽根富美子「含羞-はじらひ- わが友中原中也」も有名ですね。)、尾崎放哉や自由律俳句が広まるきっかけになると良いですね。

※文学/娯楽の区別は結構あいまいなので、便宜上だと思ってください。


・青穂第1句集がコンスタントに閲覧されているようです。多分、本誌同人の作風の幅は、放哉賞や尾崎放哉のイメージだけで考える作風の幅よりも、かなり広いのではないでしょうか。今月、第2句集が発行されましたので、近いうちに1人1句の形で掲載する予定です。

・個人作家については、飯島翠壺洞、宗左近、清水哲男、河本緑石、家木松郎の記事や句抄が。載せたい作家はまだまだいるのですが、ぼちぼちチョイスして掲載していきますので、ご期待ください。本誌からの転載記事「記憶に残る俳人・俳句」も見ていて楽しいので、こちらもよろしくお願いします。








過去の記事については、右側スリットの下のほうに、キーワード別、年月別に辿れますのでご利用ください。
今後とも、当ブログをよろしくお願いいたします。青穂正式のホームページやtwitterも、右側スリット上から行けますのでどうぞ。


(文:久坂夕爾)

2024年3月25日月曜日

高田弄山句抄


近頃は長針と短針に足を挟まれます

緞帳ストン首は闇に陳列される

あと一塗りの空から鳥がすり抜けた

ほたる仮縫いの夜をほどく

笑っている人の顔で笑っている

耳穴から溢れる砂時計の波音

映る花にとまり蝶は鏡で飼われる

ハサミが入り薔薇は女の匂いを放つ

なみなみと注がれ舞蝶がすけてくる

井戸の底に落した影が澄んでいる

風ねむれぬ夜は放火魔と通じあい

小鳥を数え終えて密林消えた

蟻が地平線を持ちあげてゆく花野

風がくるくるむけて月がまぶしい

ガラス片の霧雨に人魚とすれちがう

桃が闇を引いて転がり落ちる

金魚ゆらゆら花のひらく匂いがする

月は何色にぬっても嘘になる

絵の具がかわくまで生きていた蝶

夜店の人魚に値札がついている


高田弄山(たかだ・ろうざん)(1956-2013)の句に接しての私の印象は、「不穏で生命力の薄い静寂」。そして、表現力がある作家性の強い作風。絵画もたしなんでいたように見えます。


句については、下記京都泉の会のブログから抄出・引用させていただきました。ありがとうございます。問題があるようでしたら、お知らせください。

この泉の会のブログには、かなりの数の自由律俳人の句抄もあり(野村朱燐洞の句抄もありました。)、ここ数年精力的に更新されていますので読みでがあります。

ぜひ、訪問してみてください。右側スレッドにリンクも貼りました。

自由律俳句 京都・泉の会ブログ

(文:久坂夕爾)



2024年3月16日土曜日

第7回尾崎放哉賞決定

第7回 尾崎放哉賞が決定しています。


<一般の部>

尾崎放哉大賞

  月を青くして誰もいないふる里       いまきいれ尚夫

春陽堂賞

  両手の団栗こぼしながら駆けてくる     宮澤 省子

優秀賞

  大人びてゆく液晶のなかの教え子      明    大

  墓にまっすぐ見られながら立ち去る     楽遊原

  バス停に子を降ろして稲刈機は去る     田畑 剛

  背中の淋しさを見られながらおいとまする  久光  良一

  秋がこぼれきって葉の先          古関    聰

敢闘賞

  空振りする息子をした日もあった      小石 遥也


<高校生の部>

最優秀賞

  同じ世界を見るために少し猫背になる    遠藤 涼太

                      (埼玉県立滑川総合高等学校)

【第七回尾崎放哉賞選者】

自由律俳句結社『青穂』役員:

  小山貴子、黒崎溪水、吉多紀彦、平山礼子、高木架京、平岡久美子、三好利幸


受賞、おめでとうございます。

他の入賞句については、尾崎放哉賞のホームページにてご確認ください。

尾崎放哉賞


(文:久坂夕爾)


2024年2月17日土曜日

自由律俳句大賞募集記事、そのほか青穂51号よりお知らせなど

 




自由律俳句協会主催、「第1回自由律俳句大賞」のお知らせが入ってきました。

詳しい募集要項などは、下記をご覧ください。

自由律俳句協会ホームページ



青穂51号より
上:お知らせ
  山口誓子記念館、碧梧桐フォーラム(青穂小山代表がシンポジウムに参加)など
  ※碧梧桐フォーラムは残念ながらすでに終わっていますが、会場の伊丹ミュージアムでは、2月25日まで碧梧桐関連資料の展示を行っています。

下:新刊案内(藤津慈生「自由律俳句のキーワード 100」)

(文:久坂夕爾)


2024年2月4日日曜日

青穂51号が発行されました




青穂51号が発行されました。


画像は順に、表紙、青穂抄(幾代良枝選)、山口誓子色紙。
色紙の句 雨の稲架(はさ)大演習は砲を撃つ 
  ※稲架(はさ):刈り取った稲を逆V字型に天日干しにする仕掛けのこと。

目次より本号の内容
・同人・準同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(吉多紀彦選)
・エッセイ・評論
 記憶に残る俳人・俳句13        南家歌也子
 私と自由律俳句13           ゆきいちご
 田村梯夫氏『「恩愛の碑」-戊辰戦争秘話-』を読んで①
                     渡辺敏正
 久光良一句集『なかせ節』鑑賞      平山礼子
                     高木架京
                     いまきいれ尚夫
                     黒崎渓水
 「きまぐれ写俳日記47」        きむらけんじ
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 麦秋欄、お知らせ、編集後記、名刺交換
 第十一回青穂全国大会案内


(文:久坂夕爾)

2024年1月14日日曜日

記憶に残る俳人・俳句(7)~(12)

青穂本誌での企画記事「記憶に残る俳人・俳句」。

同人各自が紹介する、自由律俳句・俳人を転載します。


・市川一男(1901~?)

 人に逢いたくない日の自分の足あたためてやる

 さびしさ一つこらえては透明なうろこ一枚はやし

 まっくらやみにもつれて糸がひとかたまり

・まつもとかずや(1928~?)

 だまってだまって、このいしをあちらへのけるこうい

 ちちはつねに、おおきななみだをためている

 不況がきびしく、下むいてとぐはさみのむこうに家族

・尾崎善七(1907~1938)

 まずしさ軒に夕月一つ火をたく

 月の明るさ児を負うてゆく

 やなぎゆれる冬あおぞらの子を抱いて纏足のおんな

 人間が人間と血を流し今日も空がすっきり澄んでいる

 私が戦死した夢であったりして暁の星一つまたたく 

・渡野邉朴愁(わたのべぼくしゅう)(1927~2016)

 裸いとし人間なんとたくさんの傷あとを持ち

 尾骶骨にいつもあるおもい昼月欠けて浮く

 地球剥ぐと宙へひらひらいちまいの四季

 寒さ音にして湖心さす舟

 枯野の嗅覚火にすると春が匂う

・塩地キミヱ(1936~2017)

 はじめて踏んだお百度の足を洗う

 生きる意味求めて七十九歳暑気中り

 丁寧に生きたしるしの固いペンだこ

 嫌われてもいい清廉でいたい女の秒針

・佐瀬茶楽(1905~1989)

 畑は菜の花にうもれる満月 

 と、ゆらぎ海は黄金の朝暾

 婆がわらうつ音のするしぐれ

 おもてへでてうちわの軽さ持っている

 子が子をつれてくるお正月

・岡野宵火(おかのしょうか)(1916~1951)

 バス満員で下ってしまふと秋の高原を残ってゐる人たち

 逢ふてさえをれば、の二人で秋が散って散って


何かひっかかる句(人)、惹かれる句(人)があれば幸いです。

いい企画ですよね。私が注目したのは渡野邉朴愁。


(文:久坂夕爾)