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2021年5月15日土曜日

青穂40号が発行されました

 






青穂40号が発行されました。
画像は、表紙(戸田勝画)、放哉新発見資料(※1)、青穂抄(久次縮酔選)
尾崎放哉賞記事(一般の部、高校生の部※2)

※1 本誌にて小山貴子による詳細記事を載せています。
※2 本誌には、入賞句および選評の他、応募作品すべてが掲載されます


目次より本号の内容
・第4回尾崎放哉賞発表
・新同人紹介
・同人作品
・私の感銘句
・青穂の窓(佐瀬風井梧選)
・青穂第一句集互選互評⑫
・エッセイ・評論
 小山貴子 新発見!放哉俳句
 きむらけんじ「きまぐれ写俳日記36」
・一句鑑賞
・句会報
・そのほか
 お知らせ、同人情報、編集後記

敬称略
(文:久坂夕爾)



2018年11月10日土曜日

青穂第一句集(後半)


青穂第一句集より(後半)


あの角を曲がった赤い傘はうちの孫     塩地キミヱ
古布を並べて虹色の海へ迷いこむ      重富佐代子
他人のごとくふとん畳んで帰って行く    島田茶々
本当は口説かれるまでが好きなだけ     杉森久美子
餅ついてまず牛に食わした         鈴木しのぶ
五人でやってる草野球もう夕暮れだよ    鈴木憲
沈黙の口の中にも砂粒入る         そねだゆ
雪の夜みえない人がしんしんと来る     高木架京
でも可愛い妻だ眼鏡拭いてくれる      高鳥城山
顔がお面になって夕涼み          高橋恒良
寺巡る旅路の果ての遠霞          高村昌慶
何の石なるか路傍の石           田中昭雄
うたたねの夢を覗く退屈な雲        谷田越子
爪切って音が冬              田畑剛
キャベツの芯です女です          ちばつゆこ
誉めてもらいたくて笑ってみる       中川昌子
今はただ暦の絵に音重ねている遠花火    中村友乙
両手につかんだイチゴで思案の子ども    西川大布団
讃美歌ひびく病院のクリスマス       錦織祥山
静かに村が老いてゆく           橋本登紀子
船が来るまで踊っていよう         久次縮酔
わたしを支える狂気あり今日も生きぬく   久光良一
八月十五日身の内で鳴るサイレン      平岡久美子
師走のショットバーでカラシニコフの話など 平山礼子
縁談のように明るいプリンがある      本間とろ
雨音の溜まる浮かれ横丁          松岡月虹舎
玩具落ちる児は机をかじる         水越雅人
ソフトファシズムひたひたとイチゴパフェ  三好利幸
壁の染みになりきってこうもり       無一
寂しさ降るそこなしの空          ゆきいちご
薬のむためだけのミルクあたためる     弓削酔魚
石の匂いをかぐ私はここにいます      𠮷田數江
遠く誕生日をしている子の灯り       吉多紀彦
手を摩りながら目の会話病室を出る     渡辺敬子
風の駅蟹の赤さぶら下げて         渡辺敏正

(文:久坂)

2018年10月14日日曜日

青穂第一句集(前半)


青穂第一句集が発行されました。



創刊5年目という節目であり、
「青穂」に期待して参加してくださった会員の皆様の
”今”の結晶を残して置くことに意義を感じ刊行を提案いたしました。
(小山代表による序文より)

さて、勝手ではありますが、
句集より同人の作品を紹介します。
1人1句で申し訳ないのですが。
何より私の好みで申し訳ないのですが。。。。。。
前半・後半に分けて掲載します。

ザックの底にシリウスを縫いつける     秋生ゆき
庭に秋色を待つ              安門優
自らを信ずべし江戸切子の花あかり     幾代良枝
言うだけ言ってさっさと帰った夕日     泉澤英子
裸木のことばを聴いて歩き回る明けがたの街 一憲
キツネノボタンゆかいな星に違いない    伊藤静雄
おんなをひらがなでたらしこむ       伊藤人美
トラックの群青の幌が笑ってる       伊藤風々
手の平に荒野もあって昭和一桁       井上泰好
哭ききった蝉の腹の白さよ         いまきいれ尚夫
早春の海が見え隠れする峠の茶屋      内田サヨ
ずれた会話に相づち打つ寒いふくらはぎ   埋田貞子
ほれぼれする大根足日本明るし       大軒妙子
十二年も同じ顔の子を見て飽きない     おおひさ悦子
右手が嫌いなこの人を頼る         大山まる
祭りに行けない子の遠花火         荻島架人
ストレッチャーのわが身人間か荷物か    荻原海一
あめんぼの足袋はいて行く水底の街     奥野章
手足のもどかしさ鬼を育てゝいる      折口朋子
転がっている豆と娘を見ないふり      小山幸子
海市の空キリン突き刺さっているよ     加藤邪呑
小さな自分の鎧に不自由なかたつむり    加藤武
橋をわたる異境がほしい          萱沼良行
草履干せば反るこの夏のかたち       川城博之
いつもより少し寄り添うて桜並木      河野初恵
誰と話すこともなく病室のひとり暮らし   北田傀子
三代目は秘伝のタレ持って逃げる係     きむらけんじ
走れ波を刺す一直線の殺意         久坂夕爾
熊の糞にななかまどひらり         草場克彦
雀は何も持たないで跳ねる         黒崎渓水
母さんに何から話そう帰り道        小池ますみ
日の匂い主食とする重き喜び        小坂みゆき
戦車になったのか消えた赤い三輪車     後谷五十鈴
手ばかり見る日もゾウは河を渡る      小山貴子
冷えきった鉄に触れる一日の作業始まる   酒本郁也
新盆、空き家がにぎやか          佐瀬広隆

(文:久坂)