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尾崎放哉句抄


春の山のうしろから煙が出だした
肉がやせて来る太い骨である
霜とけ鳥光る
渚白い足出し
枯枝ほきほき折るによし
窓あけた笑ひ顔だ
あすは元日が来る佛とわたくし
墓のうらに廻る
月夜の葦が折れとる
昼の鶏なく漁師の家ばかり
寒ン空シャッポがほしいな
松かさそつくり火になった
とんぼの尾をつまみそこねた
流れに沿うて歩いてとまる
せきをしてもひとり
口あけぬ蜆死んでゐる
入れものが無い両手で受ける
爪切つたゆびが十本ある
障子あけて置く海も暮れきる
おそい月が町からしめ出されている
壁の新聞の女はいつも泣いて居る
花がいろいろ咲いてみな売られる
足のうら洗へば白くなる
すばらしい乳房だ蚊が居る
淋しいからだから爪がのび出す
漬物桶に塩ふれと母は産んだか
雀のあたたかさを握るはなしてやる
わが顔ぶらさげてあやまりにゆく
こんなよい月を一人で見て寝る
佛にひまをもらつて洗濯している
茄子もいできてぎしぎし洗ふ
柘榴が口あけたたはけた恋だ
一日物云わず蝶の影さす

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