青穂本誌では、約1年前から「記憶に残る俳人・俳句」という持ち回り記事が掲載されています。
最新号の(6)まで、どういう俳人・俳句が掲載されているか、ちょっと抜粋してみます。
・近木圭之介(1912~2009)
いっしょにあるけばまがってゆくみち
自画像 青い絵の具で蝶は塗りこめておく
朝 卵が一個古典的に置かれていた
・井上泰好(1930~2015) ※第1次尾崎放哉賞主催者
桜が咲いて地球がやさしい顔になる
埋めて貰う墓地から港が見えて春の海
何はなくとも春の風がある古里に住む
・吉田雅童(?~2007)
石に雨ふる短律
蛇とて月夜の木のてっぺん
天からもろうて雨もり
・吉浦俊雄(1930~2014)
夕闇青く草が蛍をはなつ
おのおのおのれの脱いだ履物へ散会す
こころ炎天へ耕してからっぽな土とす
・時実新子(1929~2007) ※川柳作家
ブラックコオヒイ女がさめてゆく過程
入っています入っていますこの世です
ひぐらしが死ぬほど泣いたひとごろし
・高田弄山(1956~2013)
ほたる仮縫いの夜をほどく
笑っている人の顔で笑っている
酔いしれてバラの上で風葬される
気になった作家がいましたら、ネットで検索してみてもいいかもしれません。
私も、俳句を始めたころは、よくネット検索して好みの作風の作家を探したり、好みの作家の作品を探して、ネットの国会図書館のページを探ったりしていました。
そして、このページが、そういう方の検索時にひっかかってくれると、うれしいですね。
(文:久坂夕爾)
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