今回はもう一人の裏方が担当します。
5月の尾崎放哉賞の授賞式に出席したのですが、協賛をいただいている春陽堂書店さまのご挨拶の中で「最近、放哉はヨルシカなどでも盛り上がっており・・・」というコメントがありました。当方「???」
式の運営もあり、その場は質問することもなく過ぎたのですが、懇親会で高校生の部の入賞者と隣席となりました。「どうして自由律俳句を作り始めたの?やはり山頭火?」というありふれた問いを投げかけたところ、「ヨルシカがきっかけです」ときっぱり凛々しく答えてくれました。当方「???」
「オジサンさあ、何語を言ってるのかよくわからないんだけど、それ何なのか教えてくれる?」と哀願したところ、彼はニッコリとほほ笑んで、おもむろにスマホを取り出し、YouTubeで示してくれました。
知ってる方は知ってるのだと思いますが、人気のあるバンドだそうです。一部の楽曲は尾崎放哉の句のオマージュとなっているとのこと。
ヨルシカ『嘘月』より。
「夏が去った街は静か 僕はやっと部屋に戻って 夜になった こんな良い月を一人で見てる」
「歳を取った 一つ取った 何も無い部屋で春になった 僕は愛を、底が抜けた柄杓で呑んでる」
放哉の句はそのまま引用されているわけではありません。
とても練り上げられた歌詞だと思います。次回はヨルシカの「思想犯」を引用します。
(文:黒崎渓水)
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