青穂第一句集が発行されました。
創刊5年目という節目であり、
「青穂」に期待して参加してくださった会員の皆様の
”今”の結晶を残して置くことに意義を感じ刊行を提案いたしました。
(小山代表による序文より)
さて、勝手ではありますが、
句集より同人の作品を紹介します。
1人1句で申し訳ないのですが。
何より私の好みで申し訳ないのですが。。。。。。
前半・後半に分けて掲載します。
ザックの底にシリウスを縫いつける 秋生ゆき
庭に秋色を待つ 安門優
自らを信ずべし江戸切子の花あかり 幾代良枝
言うだけ言ってさっさと帰った夕日 泉澤英子
裸木のことばを聴いて歩き回る明けがたの街 一憲
キツネノボタンゆかいな星に違いない 伊藤静雄
おんなをひらがなでたらしこむ 伊藤人美
トラックの群青の幌が笑ってる 伊藤風々
手の平に荒野もあって昭和一桁 井上泰好
哭ききった蝉の腹の白さよ いまきいれ尚夫
早春の海が見え隠れする峠の茶屋 内田サヨ
ずれた会話に相づち打つ寒いふくらはぎ 埋田貞子
ほれぼれする大根足日本明るし 大軒妙子
十二年も同じ顔の子を見て飽きない おおひさ悦子
右手が嫌いなこの人を頼る 大山まる
祭りに行けない子の遠花火 荻島架人
ストレッチャーのわが身人間か荷物か 荻原海一
あめんぼの足袋はいて行く水底の街 奥野章
手足のもどかしさ鬼を育てゝいる 折口朋子
転がっている豆と娘を見ないふり 小山幸子
海市の空キリン突き刺さっているよ 加藤邪呑
小さな自分の鎧に不自由なかたつむり 加藤武
橋をわたる異境がほしい 萱沼良行
草履干せば反るこの夏のかたち 川城博之
いつもより少し寄り添うて桜並木 河野初恵
誰と話すこともなく病室のひとり暮らし 北田傀子
三代目は秘伝のタレ持って逃げる係 きむらけんじ
走れ波を刺す一直線の殺意 久坂夕爾
熊の糞にななかまどひらり 草場克彦
雀は何も持たないで跳ねる 黒崎渓水
母さんに何から話そう帰り道 小池ますみ
日の匂い主食とする重き喜び 小坂みゆき
戦車になったのか消えた赤い三輪車 後谷五十鈴
手ばかり見る日もゾウは河を渡る 小山貴子
冷えきった鉄に触れる一日の作業始まる 酒本郁也
新盆、空き家がにぎやか 佐瀬広隆
(文:久坂)
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