お知らせ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆お知らせ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ヘッダ写真はアルプス穂高岳。
見本誌の請求や記事内容への問い合わせなどは「問い合わせフォーム」をご利用ください。
Twitterへのリンクを張りました。右側スリットにあります。
2019年8月14日水曜日
ペガサスの時代(自由律俳句誌「きやらぼく」の源流)
せつせつとした長律の自由律俳句が特徴的でした。
青穂では後谷五十鈴さんがその長所を引き継いでいると思われます。
短律と長律は、ことばの扱い方が違う気がしますね。当然読み方も。
短い表現では屈折や飛躍がめざましく読者をとらえるのに対し、
長い表現では声やことばを積み重ねた情景が染み入るようです。
いくつか印象に残った句を。
思ったほどの感傷もなく子を堕してからの松の芯に陽 三好米子
女それをこばんだ夜がいつか朝になっている透明なガラス 井上安江
しょせん使われる者の立場を知ってしまい爪きれば指にかよう血の色 朝倉秋富
バイオリンでは食えんよと言って弾いておる男黄昏れはじめる 岡崎守弘
さくら、山の手の煙草屋の百万円当ったポスターにさいておる 井上有紀男
草の匂い草丈高くたわむれに少年の一人が悪者になっている 三好草一
あとがき「ペガサス」を復刻するにあたって 三好利幸
手許に古びた八冊の句誌が残されていた。岡崎守弘と後谷五十鈴の手を経たものだが、B四版二つ折り八頁から十二頁のスタイルは現在の「きやらぼく」にまで踏襲されており、これが、河本緑石の「苺の会」を源流とし、戦前の「あをぞらの会」、戦後の「日ざしの会」を継いで賑わしいものとなった「ペガサスの会」の句誌だった。その会が活動休止を余儀なくされた後「梨の花の会」として復活し、名前を変えて「きやらぼくの会」となり、現在も倉吉の地に滔々と息づく自由律俳句の流れとなっている。(後略)
私、久坂が仲間と同人誌を創刊したころは、1行表示しかできないワープロを駆使したコピー冊子でした。神保町の「コピー屋」(そういう店が当時はあった)で大量コピーし、新宿のアドホックで買った製本用ホチキス(軸が直角に曲がって、中央で閉じられるタイプのもの)で綴じて。そんなことを懐かしく思い出しました。
「ペガサスの時代」は三好利幸氏より寄贈されました。感謝。
(文:久坂夕爾)
紹介したい寄贈図書がいくつかあるのですが、個人的事情により掲載が遅れてしまっています。申し訳ありません。少しづつ掲載します。
2019年7月11日木曜日
岡山で青穂の大会を実施! 続き
講演に引き続いて、句会、そして様々な決議事項を皆で決める総会、その後、懇親会を開催。飲むとますます盛り上がるのは、通例のこと。俳句論あり、他の結社論あり、人物論あり。特に池畑先生も出席いただいた二次会では、住宅顕信に関するフォローアップ講演の様相を呈し・・・。短い人生ながら、それを上回る時間が経っても、このように強い影響力を発し続ける顕信に改めて想いをはせました。
翌日は吉備路文学館、顕信の句碑、夢二郷土美術館、後楽園を訪問。濃厚な2日間が暮れていきました。来年は浜松で開催の予定です。この画面をご覧のみなさま、どうか、私たちの仲間になっていただき、来年はご一緒に浜松でウナギを食べましょう!
(文:黒崎渓水)
2019年6月25日火曜日
住宅顕信句抄
夜が淋しくて誰かが笑いはじめた
念仏の白い息している
ずぶぬれて犬ころ
水音、冬が来ている
夕焼けに顔のないわが子をさがす
月明り、青い咳する
子につんぼといわれていたのか
深夜の細い針が血管を探している
酔った月が出ている
かあちゃんが言えて母のない子よ
うつむいて歩く街に影がない
水滴のひとつひとつが笑っている顔だ
若さとはこんなにも淋しい春なのか
耳を病んで音のない青空続く
坐ることができて昼の雨となる
降りはじめた雨が夜の心音
夜の点滴にうつすまがった月だ
映画「ずぶぬれて犬ころ」パンフレット掲載の全句集より転載
映画「ずぶぬれて犬ころ」、渋谷ユーロスペースで見てきました。
顕信のドキュメンタリーと、顕信にあこがれる少年の逸話を織り交ぜて。
いじめの描写は少し類型的な気もしますし、
少年サイドの物語や演技には個人的に違和感もあります。
ただ、情感に訴えるタイプの映画にはなっていないのは好感を持ちました。
(文:久坂夕爾)
2019年6月18日火曜日
青穂31号が発行されました
岡山で青穂の大会を実施!
去る6月1日~2日、岡山市で、青穂の大会、および尾崎放哉賞の表彰を行いました。
天候に恵まれたハレの国岡山。季節は最高です。
まずその前日に、役員会を行い。かなり、突っ込んだディスカッションを行いました。
やはり議題で重かったのは、尾崎放哉賞の選考方法。
皆様から頂いた句の宝石の原石たちをどのように磨きこんでいくか・・・。悩んでも悩んでも青い山、です。とにかく今の私たちにできる最善の方法で運営するしかありません。とにかくとにかく気を引き締めて、ということは共有化しました。
続いていよいよ6月1日の午後の表彰式。
受賞された方も全国各地から多数、出席いただき、滞りなく、式が進んでいきました。
その際、一部の選者の熱すぎる句評に、「やはりみんな、自由律俳句が好きなんだな」と再確認しました。一句にホレ込み、熱く熱く語る・・・。句評をぶつけることで、また新たにその衝突エネルギーから何かが生まれるのではないか、と思いながら、式典はあっという間に終わりました。
続いての、講演!岡山大学の池畑先生は、住宅顕信を世に送り出した方。
顕信について語っていただいたのですが、とにかくこれも熱かった!!先生は理学博士で、数学がご専門なのですが、文学、とりわけ自由律。とりわけ層雲の俳人たちへの造詣ことのほか深く、しゃべりに迫力があり、圧倒されました。(続)
(文:黒崎渓水)
x
天候に恵まれたハレの国岡山。季節は最高です。
まずその前日に、役員会を行い。かなり、突っ込んだディスカッションを行いました。
やはり議題で重かったのは、尾崎放哉賞の選考方法。
皆様から頂いた句の宝石の原石たちをどのように磨きこんでいくか・・・。悩んでも悩んでも青い山、です。とにかく今の私たちにできる最善の方法で運営するしかありません。とにかくとにかく気を引き締めて、ということは共有化しました。
続いていよいよ6月1日の午後の表彰式。
受賞された方も全国各地から多数、出席いただき、滞りなく、式が進んでいきました。
その際、一部の選者の熱すぎる句評に、「やはりみんな、自由律俳句が好きなんだな」と再確認しました。一句にホレ込み、熱く熱く語る・・・。句評をぶつけることで、また新たにその衝突エネルギーから何かが生まれるのではないか、と思いながら、式典はあっという間に終わりました。
続いての、講演!岡山大学の池畑先生は、住宅顕信を世に送り出した方。
顕信について語っていただいたのですが、とにかくこれも熱かった!!先生は理学博士で、数学がご専門なのですが、文学、とりわけ自由律。とりわけ層雲の俳人たちへの造詣ことのほか深く、しゃべりに迫力があり、圧倒されました。(続)
(文:黒崎渓水)
x
2019年5月25日土曜日
2019年5月18日土曜日
同人句抄(青穂30号より)
青穂30号から少し同人の句を紹介します。
肋軟骨にピシリと冬の星落ちる 奥野立日十
よろけて入る母の名のスナック きむらけんじ
大根鍋の底で念仏唱えている 秋生ゆき
ノイズ真二つ西瓜かな 伊藤静雄
一月も終わる納棺師の白いハンカチ 小山幸子
青年銃の重さを知らず雨もよう 三好利幸
小さな窓が雨降るだけで暮れてしまう 高木架京
寒蜆ぜったいに本音は吐かない 田畑剛
思えばすべてたそがれの酒 久次縮酔
耳の中の大空が船出する 加藤邪呑
(文:久坂夕爾)
肋軟骨にピシリと冬の星落ちる 奥野立日十
電気が走ったような骨の痛み。雷ではなく冬の星にしたところがミソだと思います。
親知らず残らず抜けて鬼になる 平岡久美子
ノイズ真二つ西瓜かな 伊藤静雄
一月も終わる納棺師の白いハンカチ 小山幸子
青年銃の重さを知らず雨もよう 三好利幸
小さな窓が雨降るだけで暮れてしまう 高木架京
寒蜆ぜったいに本音は吐かない 田畑剛
思えばすべてたそがれの酒 久次縮酔
耳の中の大空が船出する 加藤邪呑
(文:久坂夕爾)
2019年4月27日土曜日
俳句関連サイト
今回はちょっと趣向を変えて、私が知っている俳句のWebサイトを集めてみました。
(※個人サイト除く)
このほかに良いサイトがあったら「問い合わせ」欄より教えてくださいな。
詩客SHIKAKU 詩歌梁山泊~三詩型交流企画
詩、短歌、俳句の三詩型を盛り込んだ詩歌トライアスロンという企画があります
現代俳句協会
マルコボ・コム
100年俳句計画という企画があるらしい。
同人のきむらけんじさんが選者を務めるページも。
句集を安価で出版できる仕組みもあり。
自由律俳句大辞典
自由律俳句人の紹介サイト。
ひとり三句は少ないのでもう少し載せてほしいかな。
あと、御中虫(芝不器男新人賞)さんとか宗左近とか
層雲・青穂同人の加藤邪呑さんとかは入ってもいてもいいと思うのですが。
エトレの会
青穂支部エトレの会。
俳句空間-豈Weekly-
自由律俳句協会
昨年秋発足した自由律俳句の協会。
現代俳句協会青年部
最近、「新興俳句アンソロジー」を出版しました。
青穂ホームページ
青穂の公式ホームページ
鬣
定型、自由律、多行すべて集う俳句誌。エッセイ・評論充実。
週刊俳句 Haiku Weekly
ちょっと気軽に俳句にふれたいときに訪問します。
ふらんす堂
詩歌句関連出版社。
実は、詩集出版の件で一度相談に行ったことがあります。
きやらぼく
鳥取の自由律俳句誌。
poecri詩歌SNS
詩歌句愛好家が自由に作品発表・批評するSNS。
-BLOG俳句新空間-
俳句誌「豈」。自由律OKの攝津幸彦賞情報も。
尾崎放哉記念館
山頭火ふるさと館
河本緑石記念館
増殖する俳句歳時記
俳句の「読み方」に慣れるために、ここにはずいぶんお世話になりました。
笠間書院
日本文学の出版社。俳句の投稿企画あり。選者は堀田季何さん。
「ずぶぬれて犬ころ」製作支援プロジェクト
住宅顕信を描いた映画を支援するクラウドファンディング。
締切近し。
(文:久坂夕爾)
2019年4月14日日曜日
青穂30号が発行されました
青穂30号が発行されました。
上:三好草一(1908~2003)色紙
下:青穂抄 今回の選は高村昌慶
第2回尾崎放哉賞発表
入賞作および、全作品が載っています。
ほか、
同人作品
私の感銘句
一句鑑賞
青穂の窓(小山貴子)
エッセイに田中昭雄、小山貴子、きむらけんじ
第6回青穂大会は6月1日岡山にて開催されます。
住宅顕信を世に広めるために尽力された池畑秀一氏(岡山大学名誉教授)
の講演が予定されています。
前にも書きましたが、
住宅顕信の映画が公開されますので、
(クラウドファンディングの結果が気になるところですが)
そのお話しも出るかと思われます。
※敬称略
(文:久坂夕爾)
※敬称略
(文:久坂夕爾)
2019年4月5日金曜日
4月
東京の桜が満開になりました
帰宅途中でみた(埼玉ですが)大宮駅の桜。
今年の桜は長いですね、そんな気がします。
ところで、桜が散るときの姿って、マンガの、ふきだしのない(バルーンに入っていない)セリフのような気がしませんか。
誰かが歌っていて、口もとから音符(♪とか♫)が流れ出している絵柄。のような。
満開なのに散るときの話でした。。。
尾崎放哉賞、決まりましたね。
今週はじっくりと、本誌掲載の応募作に目を通したいと思います。
(文:久坂夕爾)
帰宅途中でみた(埼玉ですが)大宮駅の桜。
今年の桜は長いですね、そんな気がします。
ところで、桜が散るときの姿って、マンガの、ふきだしのない(バルーンに入っていない)セリフのような気がしませんか。
誰かが歌っていて、口もとから音符(♪とか♫)が流れ出している絵柄。のような。
満開なのに散るときの話でした。。。
尾崎放哉賞、決まりましたね。
今週はじっくりと、本誌掲載の応募作に目を通したいと思います。
(文:久坂夕爾)
2019年3月10日日曜日
尾崎放哉賞について
青穂が主催している「尾崎放哉賞」ですが、入賞作品が決定しました!
本当にたくさんのご応募、ありがとうございました。
表彰式は、6月に、岡山にて行います。
青穂の大会と同時に行うのですが、その際、住宅顕信の俳句仲間であった方であり彼を世に知らしめるのに貢献された池畑秀一先生(元岡山大学教授で、今は特任教授)の講演があります。
入賞の方、またご興味のある方は、ご予定ください。
詳細は、またこのブログでお知らせいたします。
(文:黒崎渓水)
2019年2月24日日曜日
俳句アンソロジー
現代俳句協会青年部編
「新興俳句アンソロジー」をところどころ拾い読み。
自由律関連では、
栗林一石路、橋本夢道、吉岡禅寺洞。
アンソロジーというと、
俳句を書き始めた頃に出会った
・川名大「現代俳句」、
・清水哲男「増殖する俳句歳時記」
(言わずもがなかも知れませんが、ネットでも読めます。ここ。)
俳句が実は面白いものだと気付いた
・中村裕「俳句鑑賞450番勝負」
たぶん阿部青鞋の句に初めて出会ったのはここではないかと思われる
・冨田拓也 俳人ファイル
(確か俳句空間か豈Weekly)
あたりが、思い出されます。
もっと著名な俳人のものも数冊読みましたが、
何が面白いのかピンと来ない。
私には合わなかったのでしょう。
栗林一石路の章(相子智恵選)からいくつか引きます。
死ぬ日近きに弟よ銭のこといえり
シャツ雑草にぶっかけておく
どれにも日本が正しくて夕刊がぱたぱたたたまれていく
娘よひきあげろ働いた金だぞふんだくってでも来(こ)うよ
なにもかも月もひん曲がってけつかる
どっと笑いしがわれには病める母ありけり
最後に、「シャツ」の句に関する清水哲男氏の至言を。上記の「俳句歳時記」から。
戦前のプロレタリア俳句運動の代表句として知られるこの一句は、現在にいたるもその訴求力を失ってはいない。これが俳句だろうかだとか、ましてや無季がどうしたのとかいう議論の次元をはるかに越えて、この力強く簡潔な「詩」に圧倒されない人はいないだろう。そして詩とは、本来こうあるべきものなのだ。根底に詩があれば、それが俳句だろうと和歌だろうと、その他の何であろうが構いはしないのである。くどいようだが、俳句や和歌のために詩はあるのではない。逆である。
***
さきごろ詩人の入澤康夫さんが亡くなりました。
失礼ながら、特に積極的に読んだ詩人ではないのですが、
それでも、「キラキラヒカル」など(詩集「倖せそれとも不倖せ」)は
覚えています。
感情を排して「物語詩」「叙事詩」を書こうとした方だったと思っています。
(文:久坂夕爾)
2019年2月12日火曜日
住宅顕信「未完成」英訳
twitterで知ったのですが、
住宅顕信の句集「未完成」を英訳されている方がいるようです。
津山高専の教員の方のようです。
興味のある方は読んでみてください。
http://repository.tsuyama-ct.ac.jp/metadata/228
http://repository.tsuyama-ct.ac.jp/metadata/218
映画「ずぶぬれて犬ころ」も岡山映画祭での上映が終り、
今年はどこかのミニシアターで公開されるのではないでしょうか。
「ずぶぬれて犬ころ」公式twitterアカウント
映画の予告編も見ることができます。
https://twitter.com/zubuinu
(文:久坂夕爾)
尾崎放哉賞について
青穂が主催している「尾崎放哉賞」ですが、選考が進んでいます。
皆さまから頂いた魂のこもった作品たち、選者一同、とてもとても、頭を悩ませています。
3月に入りましたら、入賞作品を発表できると思います。
もうしばらく、お待ちください。
(文:黒崎渓水)
2019年2月11日月曜日
青穂29号
青穂29号が発行されました
左は住宅謙信の色紙
「夕が冷たい音落した」
青穂抄、今回の選者は高橋恒良
他、
・青穂の窓 吉多紀彦
・一句鑑賞、句会報
・内田サヨ、小坂みゆき 追悼 遺句抄
エッセイ
・放哉を訪ねて 大連その1 小山貴子
・きまぐれ写俳日記(25) きむらけんじ
内田サヨ様、小坂みゆき様のご冥福をお祈りいたします
ピンクの帽子春風に押されペダルが軽い 内田サヨ
青い柿の実ポトンと落ちて一生
静かな日々をあつめて山栗落ちる 小坂みゆき
開拓の挽臼に光さす冬の庭
※敬称略
登録:
投稿 (Atom)