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2024年7月21日日曜日

青穂第二句集より同人の句を紹介します(2/2)

 


今年三月に発行された「青穂 第二句集」より、同人ひとり1句のかたちで紹介します。(五十音順) ※前回の続きです

なお、本句集は全国の図書館に寄贈されています、図書館で検索してみてください。また実際に手に取ってみたい方は、問い合わせフォームより連絡いただければ、多分お売りできると思います。メールアドレスと「第二句集送ってください」の一言だけいただければ、折り返しご連絡いたします。


島田茶々    後退りもうできないよ曼殊沙華

鈴木しのぶ   バス停に立っているまだ母の顔

高木架京    欲望がはらりと崩れるチューリップ

高鳥城山    冷えた汁をすする師走となる

高橋恒良    津波の浜にハマナスの花一番乗り

高村昌慶    蜜柑色の風が吹く 病室の窓開けておく

田中昭雄    雨後の土の臭いをした女

谷田越子    ヒラヒラひらがな座っていく秋のベンチ

田畑剛     抱かせてもらう赤子うつくしい鬼になれ

ちばつゆこ   かあちゃんと言いたそうな目で子犬

中村友乙    妻一語吾一語にて足るコロナ禍の食事

南家歌也子   ため息ひとつすずめ庭に来ている

橋本登紀子   ぽつんと石に掛けて石になってみる

早舩煙雨    遠雷あなたの脚は湖になり

久光良一    逃げ道も回り道もないあとはまっすぐ

平岡久美子   断捨離の恋愛小説ひとくくり

平山礼子    日盛りの廃校に犀が来ていた

福田和宏    ラブラブか介護か 

宮内天正    大葉ゆれる 谷風にあらず尺取虫

三好利幸    あおぞらになきながらおりがみの兵卒

ゆきいちご   鰯雲一つだけ蝶に生まれかわる微風

弓削酔魚    ここらでひとつ好きな言葉で生きていく

吉多紀彦    外の時間動かしている蝶ひとつ

楽遊原     見せてはいけないところがひとつも無い犬で

渡辺敬子    冬の陽を使い切ってるアジの干物

渡辺敏正    流氷の音から古里が出てきた


(選、文:久坂夕爾)